防 犯の手引き-在留邦人用 安全マニュアル


 はじめに


国外で生活するに際しては、安全をいかに確保する かが大きな問題です。日本では「安全と水はただ」と言われていますが、国外では自分の身は自分で守らなければなりません。多くの国・ 都市と同様に、ここイスタンブルにも空き巣、スリ、置き引きなどの犯罪の被害に遭う在留邦人の方々がおります。そのような犯罪の被害 に遭わないようにするためには常日頃から注意を払う必要があります。
この安全マニュアル「防犯の手引き」は当地で生活する邦人の皆様に、犯罪の被害に遭わないよう気をつけていただくために作成したも のです。マニュアルは次の2つで構成されております。



 安全についての基本事項及び防犯の基本的な心構え並びに具体的注意事項(下記参照)
  安全のためのチェックリスト


 また緊急連絡一覧表を作成しましたので、とっさの時に備え電話の横に貼っておくなど活用してください。この マニュアルに書かれていることすべてを実行することは実際には難しいことです。しかしながら、できることから少しずつ実行に移すよう な心構えで対処し、被害に遭わないように気をつけていただきたいと思います。
安全確保には防犯面のみならず、当地の治安状況にも留意する必要があります。治安情報については外務省危険情報などでお知らせして おりますし、当総領事館でも必要に応じ適宜日本人会を通じたり、E-mailなどを通じてお知らせしておりますのでご利用下さい。日 本人会会員以外の方で、E-mailでの配信を希望される方は総領事館領事班に登 録をお願い致します。
なお、不幸にも犯罪被害に遭った場合には総領事館までご一報いただきますようお願い致します。
また、在留邦人の皆様におかれましては、邦人の方が巻き込まれたと思われるような犯罪や事故を見聞きした場合には是非とも当総領事 館までお知らせいただけますようお願い致します。皆様からいただく情報は貴重な情報であり、様々な形で在留邦人の皆様に情報提供した いと考えますのでよろしくお願い致します。


 防犯(安全対策)の基本的な心構え

  自分の身は自分で守る
日本は「安全と水はただ」と言われるほど治 安事情が良い国といわれておりますが、海外では、「安全を守るには自らの努力が必要である」というのが現状です。「誰かが自分の 安全を守ってくれる」という発想を捨てて、「自分の身は自分で守る」という強い心構えが大切になります。



  危機管理
事件、事故、災害に巻き込まれてからどうするか を考えても遅きに失します。
危機管理とは、簡単に述べれば次のような対策・心構えをとることと考えられます。
・事前: 危機状態に陥らないように対応策を考え、講じておく
・事後: 危機に陥った後には、予め考えてあった対処法に応じて落ち着いて対処する



  安全の為の三原則
次の三原則は安全な生活を送るためのものです。 これらは何気ないことのように思われますが、
このような何気ない注意・気配りが身を守るのに役立ちます。


    目立たない
犯罪者やテロリストは目立 つ人物に目標を定める傾向がありますので、目立たないようにすることが予防の一つです。必要以上に華美な服装、 装飾品を付けないようにするほか、公共の場(レストラン、バーなど)で大きな声で現地の悪口を言ったりしない、 政治、宗教、文化、習慣、生活環境などの批判をしないなど、現地の人の反感を買わないようにすることも大切で す。また、トルコでは建国の父アタチュルクへの批判は罪とされておりますので、この点にも十分注意する必要があ ります。
    行動を予知されない
犯罪者にとって、行動がパ ターン化した人は一番狙いやすいといわれております。行動の一定パターン化(通勤、通学、買い物、娯楽、外食の 際の移動のルートや時間などの固定化)は、犯罪者やテロリストにとって攻撃計画を立てやすくしますので、移動の 際のルートや 時間等なるべく不規則にして予測しにくくしましょう。
    用心を怠らない
警戒心が薄い人は狙われや すいと言われます。到着当初は生活も慎重になり、安全にも気を配っていますが、日に日に当地での生活に慣れるに 従って、警戒心が薄くなりがちです。警戒心が薄くなると、スキが生じ、スキを狙われて思わぬ被害に遭うことがあ ります。また、治安状況は短期間の間に大きく変化することがありますので、情報収集を怠らないよう に心掛ける必要があります。




 防犯のための具体的注意事項

  住 居
選定:住宅選定にあたって、主として防犯の面か らの選定ポイントを説明します。


    地域の安全性
自宅の周囲が安全な地域 か、周辺の環境が悪くないか、その地域の治安状況は悪くないか、周りの住民の安全意識はどうか、協力的かなどを 調べます。
    ルートの安全性
ルート上での誘拐や襲撃に 備えるため、自宅から幹線にでる道路や、自宅から勤務先、通学先への通路が2つ以上確保できることが望まれま す。入り組んだ道路も弱点になり、自宅への道路が行き止まりだったり、一方通行であったりすると逃げ道がなくな ります。また、ルート上に警察など緊急避難できる場所があると危険を回避に役立ちますので確認しておきましょ う。
    住居の安全性
独立住宅、独立アパート、 集合住宅の中から選択することとなりますが、防犯の観点からは、安全対策が取りやすい集合住宅が、また、居住階 も3階以上とすることが望まれます。また、次項の安全確認事項も参考にすることが望まれます。





  住居の安全確認:3つの防衛線による安全対策
住宅の安全対策を考える際に、住宅の防衛を3 つに分けて考えます。次の事項の確認を行って、不備がある場合には対策を講じましょう。また、借主が独自にできないものもありますので、 入居前に家主と交渉することも必要です。


1) 第一次防衛 線:住 宅の最も外側の外部との境界が第一次防衛線となります。集合住宅の場合、建物全体の出入口及び各建物、駐車場などがこれに該当します。住宅棟に 侵入するには主として次の出入り口があげられますので、これらの出入り口の管理が厳重になされているか注意しま す。裏口がある場合には裏口の管理状態も忘れずに確認しましょう。



    建物共通の出入り口(玄 関ロビー)
居住者以外の人が勝手に出 入りできないようになっているか、また、出入りする人を警備員が監視しているかどうか、ドアの施錠具合はどう か、などの確認を行います。また、出入り口付近に身を隠す場所があると賊の侵入が容易になりますので、出入り口 周辺も確認しましょう。
    駐車場:
リモコンによる扉の開閉や 警備員が開閉を行っていて、部外者が勝手に駐車場に出入りできないようになっていることが望まれます。
    建物:
防火設備や非常階段、非常 時の避難経路の確保などを確認します。また、照明がどのようになっているかも確認します。




2) 第二次防衛線:自 宅の部屋の出入口が第二次防衛線となります。


    入り口扉(玄関)
扉と扉枠は金属製が、木製 の場合には1枚板のものが望まれます。合板は脆弱なので可能であれば交換する。扉には頑丈な錠前を複数取り付け ることが望まれます。また、来訪者の確認のため覗き穴か、テレビモニター付インターフォンを設置することが望ま れます。扉の前は明るくできるよう照明設備が必要です。なお、ドアチェーンがあれば隙間から確認できたり、物の やり取りができるので是非とも設置することが望まれます。
    窓:
窓は格好の侵入経路になり ます。従って、扉と同様の侵入防止措置が必要です。窓枠が頑丈かどうかを確認しましょう。低層階の場合には窓に 鉄格子を取り付けると侵入が困難になります。鉄格子は窓の外側につけるよりも内側につけた方が侵入防止に効果が あります。窓枠、窓格子、鉄格子は簡単に折れたり曲がったりしない品質のものが望まれます。シャッターも防犯上 有効ですので、夜間や長期不在時には必ず閉めるようにしましょう。




3)  第三次防衛線:自宅内で篭城できる部屋が第三次防衛線となります。



  生活上


    土地勘:
入居後は付近の地理に詳し くなりましょう。歩き回ったり、車で回るなど、道路事情や店の配置などを熟知し、土地勘を養いましょう。
    近隣者:
隣近所の人とは顔見知りに なりましょう。非常事態には隣近所との関係も必要になってきます。
    訪問者:
訪問者があった場合、心当 たりがない場合には、来訪者を十分確認してから室内に招き入れましょう。むやみに扉を開けたりすることは危険で す。ドアチェーンをかけたまま対応することも一案です。これらの対応策は家族や、使用人にも徹底させておく必要 があります。工事人や管理人であっても用心を忘れないことが必要です。
    使用人:
使用人の雇用に際しては身 元の確認できる人を雇用することが望まれます。そのためには信頼できる人から紹介された使用人であることが望ま れます。雇用にあたっては、身分証明書などで身分事項の確認を行いましょう。また、使用人は室内にいることが多 いので、安全対策を教え、皆様と同じように実行させることが必要です。なお、使用人を雇用した場合、鍵、貴重品 や現金を不用意に放置しておくことは危険です。ただし、使用人のプライドを傷つけると逆効果にもなりますので、 言動には注意が必要です。
    電話:
電話は2カ所以上設置され ていることが望まれます。その場合、別々の回線が望まれます。電話の近くには緊急連絡先のリストを置いておきま しょう。また、救助を求めるための簡単なトルコ語を覚えておくようにしましょう。電話に出る際には自分から名乗 らないようにしましょう。間違い電話で電話番号を確認されることがありますので、聞かれても自宅の電話番号を口 にしないようにしましょう。その他、無関係な人から予定などを照会されるなど、不審な電話があった場合にはきち んと応対せず電話をうち切りましょう。
    鍵:
鍵の保管方法は重要なこと ですので取扱には注意しましょう。鍵は常に携帯すること。また、鍵の保管は外から見えない場所にし、施錠できる ことが望まれます。鍵は家族のみが所持し、使用人に渡すことは避けましょう。なお、鍵を所持する際には自宅の住 所が分かるものや貴重品と一緒に持たないようにしましょう。
    不在時:
長期にわたって不在になる ときは、不在であることが分かられないようすることが重要です。そのためには郵便物や新聞を貯めたりしないよう に信頼のおける知人に回収を依頼したり、また、タイマーなどで夜間照明をつけたり、テレビやラジオで音を流した りし、家の中に誰かいるように見せかけることも効果があります。 





  外出時


    自動車:
自動車の点検は日常的に行 いましょう。また、燃料も常に十分となるよう入れておきましょう。賊に襲われる可能性が高いのは車の乗降時、駐 車場から出た場所です。このような場所では周囲に不審な車や人物がいないか注意が必要です。不審な車や人を見か けた場合には、乗り降りをやめたり、駐車場から出ないようにしましょう。帰宅時に駐車場へ車を乗り入れる際にも 周囲への注意は必要です。また、誘拐対策としては毎日同じ時間に同じ経路を使わないよう、時には時間や経路をか えることが効果的です。走行中はドアをロックし、窓を閉めるか、開ける場合でもわずかにします。   車内に外 から見えるように物をおくと狙われます。車内に物品を保管する場合にはトランクなど外から見えないところに置き ましょう。走行中は常に襲撃や追突などを想定しながら、臨機応変に対応できるようにしましょう。
    歩行中の安全:街中を歩行 中の安全対策です。
スリ・ひったくり:スキを 作らない・財布などを見せないことが一番の対策です。犯人は通常複数で活動し、狙いをつけた人を観察し、スキが できる時を待ちます。スキがなければ狙われません。スキを作らないようにするには、周囲に気を配り、不審者を監 視し、他のことに気をとられないようにします。また、バックを不用意に置いたり、手を離したりしてはいけませ ん。必ずバックには手を添えるなど、体から離さないようにします。犯人の手口は相手にスキを作らせることにあり ますので、びっくりさせられたり、体を押されたりした場合にはまず持ち物を確認しましょう。なお、被害を防ぐ努 力も大事ですが、完全に被害から逃れることも難しいものがあります。そこで、被害にあっても被害を少なくするた めの対策も同様に重要です。そのためには、高額の現金は持ち歩かない、現金は分散して持つ、現金とカードは一緒 に持たないなどの対策が有効です。最近は車を利用した凶悪な手口もみられます。車をぶつけるようにして危ない目 にあわせ、そのスキにバックをひったくるというものです。不審な車にも気をつけましょう。
    強盗:
強盗に襲われた場合、命を 守るためにも要求に応じて現金を渡しましょう。そうすれば危害を加えられることは回避できると思われます。求め に逆らえば命を奪われることもありますので、「命より大事なものはない」という言葉を心得ましょう。また、でき るだけ冷静になり、犯人の特徴、手口、逃走方向などを観察しておきましょう。





  交通事情及び事故対策

当地の交通事情と対策


    道路事情:
イスタンブールの道路は舗 装されておりますが、舗装状態が悪い上、坂道も多く、穴が開いていたり、思わずハンドルをとられたりしますの で、スピードを抑えるなど慎重な運転が必要です。夜間は街灯が暗く、横断する歩行者が見えません。特に冬期は天 気も悪く、歩行者が見えにくくなりますのでより以上の注意が必要です。冬季の積雪時にはスリップや横滑りし、車 のコントロールができなくなりますので、車の使用は慎重にしましょう。
    運転事情:
ドライバーの運転マナーは 悪く、特にタクシーや乗合バスなどは無理な車線変更や、強引な割り込み、追い越しスピードの出しすぎが目立ちま す。危険な走行の車から離れるなど、他の車に挑発されることなく、事故を未然に防ぐような配慮が必要です。タク シーに乗る場合には、後部座席に座るようにし、走行状態を確認しておき、万が一の事態に備えましょう。歩行する 際には、走行する車に十分注意しましょう。横断の際には車が途切れるのを待つなど、安全を確保して横断してくだ さい。
    事故対策:
交通事故を起こした場合、 負傷者がいない時は交通の障害とならないように速やかに車を路肩に寄せます。負傷者が発生した場合には、現状保 存のため車は動かさず、交通警察に通報の上、警察官の到着まで待ちます。その間、負傷者の救急措置を行わなけれ ばなりません。事情聴取は警察交通局で行われます。初めに飲酒検査の後、担当警察官が事故状況を文書形式にまと め、これに当事者が署名することとなっています。この文書は保険のためにも必要ですので必ず受領しましょう。な お、警察は英語等を解しませんので、事故が発生した場合にはトルコ語のサポートが必要となりますので、至急手配 しましょう。





  その他の留意事項: 滞在許可証 (IKAMET)
就労、就学、研究等の目的で入国した場合 や、3ヶ月を越えて滞在する場合は滞在許可証を取得する必要があります。住居決定後、旅券に申請書、写真及び滞在目的別証明資料 (入学許可、研究許可、雇用契約等)等を添えて、居住地管轄警察本部外国人課に申請します。就労目的の場合は、更に労働許可 (WORKING PERMISSION)が必要です。詳細はイスタンブル県警本部外国人課(Yabancilar Subesi TEL:0212-636-1861,1865)にお問い合わせ下さい。


 緊急連絡先


 ■ 警察 :155(交通警察:154)
■ 消防 :110
■ 救急 :112
■ 救急総合病院


    インターナショナル病院(INTERNATIONAL HOSPITAL)
所在地:ISTANBUL CAD. NO.82, YESILKOY
電 話:(0212)663-3000
    アメリカン病院(AMERIKAN HASTANESI)
所在 地:GUZELBAHCE SOK. NO.20, NISANTASI
電 話:(0212)231-405-0231
    ドイツ病院(ALMAN HASTANESI)
所在 地:SIRASELVILER CAD. NO.119, TAKSIM
電 話:(0212)293-2150
    フローレンス・ナイチン ゲール病院(FLORANCE NIGHTINGALE)
所在地:ABIDE HURRIYET CAD.NO.290 CAGLEYAN SISLI
電 話:(0212)224-4950
    在トルコ日本国大使館(ア ンカラ)
電話 (0312)446-0500
FAX (0312)437-1812


 緊急時に役立つトルコ語
 
「火事」            ヤングン
「泥棒」           フルスズ
「人殺し」          カーティル
「交通事故」        トラフィック カザース
「爆弾」           ボンバ
「警察」           ポリス
「捕まえて」         ヤカラユン
「助けて」           イムダット
「警察を呼んでくれ」    ポリス チャールン
「救急車」          アンビュランス
「病院はどこですか」    ハスタネ ネレデ
「消防署」         イトファ-イエ
「日本総領事館」     ジャポンヤ バシュコンソロスルーウ
「日本総領事館に連絡してください」  ジャポンヤ バシュコンソロスルーナ ハベル ヴェリニズ



 在イスタンブール日本国総領事館
住所:Tekfen Tower 10th Floor, Buyukdere Caddesi No.209, 4.Levent 34394, Istanbul, Turkey
電話: (90-212) 317 4600  FAX: (90-212) 317 4604
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 http://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/index_j.html