【ポイント】
●突然見知らぬ人物から電話があり、公務員等を名乗って、こちらの正しい個人情報(氏名、身分証明書番号、住所等)などを伝えつつ、確認してくる。
●銀行への不正アクセスの犯人を捜している等の理由を告げて、使用している銀行を聞き出し、ショート・メッセージのリンクを開く、もしくは、銀行アプリの起動を促してくる。
●心当たりがない電話を受けた場合には、電話を切るようにしてください。
【本文】
電話での特殊詐欺の未遂事案について、当館へ情報提供がありました。事前に、詐欺の手口を把握しておけば、未然に被害を防ぐことが出来ますので、以下1の手口をご一読いただき、以下2の注意と対策にご留意ください。
1 手口(事案の概要:全てトルコ語でのやりとり)
(1)公務員と名乗る人物から突然電話があり、こちらの氏名、父親・母親の名、身分証明書番号、住所などの個人情報を伝えつつ誤りは無いかを尋ねてくる(これら情報は全て正しかった由。)。
・続いて、WhatsAppにて銀行への不正アクセスをした犯人とされる人物の写真(男性と女性の写真計2枚)を送付し、これらの人物に見覚えはないか、銀行で見たことはないかと尋ねてくる。
・さらに、利用している銀行を尋ね、当該銀行のアプリを起動するよう促してくるほか、ショート・メッセージを送るのでリンクを開くようにと促してくる(実際にメッセージは送られてこなかった。その後、他の方に電話を替わったところ、電話をしてきた人物は怒り出し、一方的に電話を切った。)。
(2)後日、警察と名乗る別の人物から電話があり、前回同様こちらの個人情報を伝えつつ、誤りは無いかを尋ねてくる(これら情報も全て正しかった由。)。
・(電話をしてきた目的を尋ねると)銀行に不正アクセスした者を逮捕するためだと伝え、さらに、こちらの利用している銀行、携帯電話会社、仕事を尋ね、ショート・メッセージを送るのでリンクを開くよう促してくる(実際には、前回同様メッセージは送られてこなかった。)。
・先方は、こちらが単独で話をする状況になるよう仕向けてくる。
2 注意と対策
(1)電話をかけてくる者は、相手を信用させるため、公的機関の職員を装い、また、電話口で不安をあおる様な内容を伝え、冷静な判断が出来なくなるよう仕向けてきます。
(2)心当たりがない電話を受けた場合には、電話を切るようにしてください。仮に電話の内容に心当たりがあっても、その場ですぐに相手の求めに応じることはせず、一度電話を切った上で、心当たりのある機関・施設・団体等の連絡先を個別に調べるなど事実関係を確認する、また、周囲の人に相談するなどしてから、対応をするようにしてください。
(3)万が一、詐欺被害に遭ってしまった場合には、必ず警察へ被害を届け出るとともに、銀行へも連絡をするようにしてください。
(4)今回、SNSによるメッセージの送付はありませんでしたが、メッセージに何かしらのリンクが貼り付けられていた場合、そのリンクにアクセスをすると、ウイルスに感染し、スマートフォンから個人情報が詐取されるということが十分に考えられます。不審なメッセージなどを受信しても、決してリンクにアクセスしたり、アプリをダウンロードするなどしないでください。